「問題行動」とは、猫と暮らしていく中で、飼い主が「困った」と感じる行動です。
スプレー、鳴き声、噛み癖など猫にとっては当り前の行動なのに、人にとっては迷惑な行動もありますが、猫にとっても明らかに異常な行動もあるのです。
[スプレー行動]
★スプレーとは
猫のスプレーは、自分のテリトリー(縄張り)であることを示すためのマーキング行動でありトイレ以外の所に排尿する、いわゆる粗相とは全く異なります。立ったまま少量の尿を垂直な物に、お尻を向け、腰を高く上げ、尻尾を立てて小刻みに振るわせながら、シュシュッとかけ自分の存在をアピールします。生後6ヶ月以上の特に去勢していないオスによく見られる行動で、そのニオイはとても強烈です。メスにも時々見られます。
★スプレーの原因
スプレー行動にもいくつかの理由があります。
①なわばりの主張
猫は縄張り意識の強い動物です。引っ越しや部屋の模様替え、新しい動物や家族が増えた、来客がきたなど急激な環境の変化から起こります。自分の縄張りが何者かによって侵されたと考え、スプレーで自分のニオイをつけて、縄張りを守ろうとしているのです。環境の変化に慣れるまで、猫が安心できるようにいつも以上に気配りをしましょう。
②情緒的な不安、ストレス
飼い主の態度が急に冷たくなった、かまってくれない、飼い主が不在がちになった、同居の猫に脅かされている、外猫を室内飼育に切り替えたなど、情緒的に不安やストレスを感じた時にも、スプレーによるニオイつけで気持ちを落ち着けようとします。
③他の猫からの刺激
発情期の猫が側にいたり、家のまわりをよその猫がうろついていて窓から見えた時に、自分をアピールしたり、縄張りを守ったりするために、スプレーが激しくなります。
★スプレーを防止するには
《去勢手術や避妊手術をする》
去勢、避妊手術は、もっとも有効な解決策になると言われていますが、すでにスプレーが習慣化している場合や、多頭飼育の場合には、去勢、避妊手術だけでは治まらない事もあります。
《決まった場所でする場合》
いつも決まった場所にスプレーをするようであれば、ビニールシートやアルミホイルを敷く、粘着テープを貼るなどをして、そこで排尿するのが嫌になるようにしたり、その猫の食べ物や飲み物をその場所に置くという方法もあります。猫は、綺麗好きなので、食べ物の近くでスプレーをすることは避けようとします。
《ストレスを軽減する》
スプレーの原因がストレスを感じてする場合は、猫をよく観察し、考えうるストレスをできる限り取り除くか軽減してあげることが大切です。
《ニオイを残さない》
汚れてしまったところは、素早く掃除して、ニオイや跡を残さないようにしましょう。また、他人や他の動物などのニオイのついた物にも、猫は強く反応して、そのニオイを消すために、排尿やマーキングしますので、いつもと違うニオイは、消すようにしましょう。
《獣医師に相談する》
改善されない場合は、猫が安心できるフェロモン製剤を使用して、気持ちを落ち着かせる方法もありますので、動物病院で相談してください。
★スプレー臭を消すには
あの強烈なニオイは、猫好きとはいえ、耐え難いものです。スプレーをされた時は、すぐに雑巾で拭き取ります。熱いお湯か水、中性洗剤、アルコールなどで拭いた後、消臭剤などでニオイが残らないようにしましょう。カーペットにしてしまった場合は、雑巾ですぐ拭き取り、熱めのお湯で絞った雑巾でたたくようにして、更に酢をつけた雑巾で拭くと効果的です。最後にもう一度お湯で絞った雑巾で、きれいに水拭きしましょう。
※各種の洗剤や消臭剤の使用は注意が必要です。
アンモニア系の漂白剤などを使用すると、逆効果になり、他の猫がそこにスプレーをしたと勘違いをし、その上にまたスプレーをしてしまうので、酸素系洗剤を使用するとよいでしょう。また、猫よけなどのスプレーを噴霧するのは逆効果になります。
[鳴き声]
★発情期の鳴き声
猫の鳴き声でよく問題となるのは、発情期のメスの鳴き声です。発情期になると、いつもとは違うダミ声で「ンニャァーオー」と一晩中鳴き続けます。このメスの鳴き声に誘発されて、オスも負けじと大きな声で鳴くので、近所迷惑にもなるし、一緒に室内にいる飼い主にとってはたまりません。発情期の鳴き声は、不妊・去勢手術をすれば治まりますので、繁殖の予定がなければ、手術をするのが一番の解決策になります。
★夜中・明け方に鳴き続ける
不妊・去勢手術をしている猫でも、夜や明け方になると鳴き続ける猫もいます。猫はもともと夜行性なので、夜間になると活動のエネルギーがわいて、走り回ったり鳴き叫んだりすることがあります。この場合は、夕方にたっぷり猫を遊ばせてエネルギーを発散させることで、解決できることもあります。また、夜遅めの時間に食べ物を与えると、体内時計の修正になります。
★不安やストレスが原因で鳴く
不安やストレスが原因となって、繰り返し鳴くこともあります。突然よく鳴くようになった場合は、環境の変化がなかったか考えてみてください。また、自由飼いの猫を室内飼育に切り替えたときも、外に出たがってよく鳴き続けることがあります。
[異物を食べる]
★毛糸や毛織物などの〝異物〟を吸ったり食べたりする
タオルやセーターなどをチュパチュパ吸ったり食べたりする、「ウールサッキング」と呼ばれる異常行動は、猫ではよく見られます。まだ原因がはっきりと解明されたわけではないのですが、毛織物などに吸いつくのは、「お乳を吸う」衝動を満たすための行動とも言われ、生後母親からの離乳が早かった子猫や、生後すぐから人口哺乳で育てられた子猫に多く見られると言われています。子猫のうちに始まり、一年以上継続することもありますが、3~4歳になるころには自然に治まることも多いようです。しかし、中にはいつまでもそんな癖が止まらないケースもあり、そうなれば、その回数が増え頻繁に何かを吸ったり、かじったりしていないと落ち着かなくなる猫もいます。かじってるうちにエスカレートして飲み込んでしまって食べてしまいます。繊維製品の他に、ビニール、プラスチック、ティシュペーパー、猫砂など身の回りにある物なら何でも吸いつき、かじりつく場合もあり体内に入ると危険な物まで飲み込んで命にかかわりかねない恐れもあります。
★食べる可能性のある物を猫から遠ざける
食べてしまった糸くずや布きれは、通常、ウンチと一緒に排泄されたり、吐き戻したりしますが、便秘や消化不良の原因になったり、腸の閉塞などを起こしたりする危険もあるので、注意が必要です。成長して成猫になれば、そのような癖は治まっていくケースが多いのですが、子猫が毛糸や毛織物などに吸いついているのを発見したら、いずれ治まるだろうと思って見逃さず、どんな種類の異物なのかチェックして、食べる可能性のある物は猫の届かないところに片づけてしまうのが、最良の方法です。また、タバスコや苦味のあるスプレーなど、猫が嫌がるニオイをつけるのも一案です。また、退屈で心寂しい時間を過ごすことが多ければ暇つぶしで行うこともあるので、飼い主が一緒の時は、おもちゃを使って遊んであげたり、ブラッシングしてあげたりしてスキンシップの時間を増やしてあげましょう。
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