チワワがかかりやすい病気を紹介します。
病気の知識を知っておくことで、日頃の健康チェックに役立ててください。
歯の病気
チワワはあごがとがり、歯の生えるスペースが狭いので、歯並びや噛み合わせが悪い子が多いようです。きちんと永久歯に生え変わっているかどうかなど、獣医さんに一度チェックしてもらいましょう。
〔乳歯遺残〕
通常生後2~7ヶ月の間に除々に乳歯から永久歯に生え変わります。乳歯遺残は正常な生え変わりが行われない状態のことを言います。この生え変わり時期に乳歯が抜け落ち、乳歯が残ったまま永久歯が生えてくることがあり、これを放置すると歯並びが悪くなるだけでなく、噛み合わせの異常や歯周病の原因になります。獣医さんで早めに乳歯を抜歯してもらいましょう。
〔歯肉炎・歯周病〕
歯の表面に付着した食べ物のカスを放っておくと歯垢や歯石の原因となり、歯肉が炎症を起こします。やがて口臭が強くなり歯肉が赤く腫れて出血したり、痛みでエサが食べにくくなったり、臭いよだれをたらすようになることも。また、症状が進行すると炎症があごの骨にまで達して骨折することもあります。普段から歯ブラシやガーゼなどで歯磨きをして予防しましょう。歯石がつきにくいドッグフードやおやつ、歯磨き効果のあるオモチャなどもあります。ただし、虫歯に良いとされているキシリトールは、犬には中毒を起こす危険性があるので与えないこと。
目の病気
チワワのうるうるした大きな目は、チャームポイントです。しかし、目の病気やトラブルが多い犬種なので普段から注意してチェックしましょう。
〔結膜炎〕
結膜が炎症を起こし、充血や目ヤニがみられます。かゆみや違和感で目をこするので、目のまわりが赤く腫れて、痛みをともなうことも。細菌やウイルス感染が原因ですが、アレルギーやドライアイ(乾性角結膜炎)による場合もあります。
〔角膜炎・角膜潰瘍〕
目に異物などが混入し目の表面を覆っている透明な膜に傷つき炎症が起こるのが角膜炎、炎症が角膜上皮から角膜固有層まで進み深い傷が形成されたのを角膜潰瘍といいます。傷ついた角膜は白く濁り、痛みでまばたきしながら涙を流します。さかさまつ毛や外傷によるものなど、さまざまな原因が挙げられます。角膜を傷つける原因を取り除き、治療には感染や炎症を抑える点眼液を使います。処置が早ければほとんどの場合、治ります。
〔流涙症〕
いつも涙が流れている病気です。結膜炎や角膜炎、まつ毛などの刺激で涙が過剰に出ている場合と排出管が詰まって内眼角からあふれている場合とがあります。涙が流れている目はウルウルして綺麗な目のように思ってしまいますが、大きな間違いです。涙の量が多いので目の下が涙やけをしてしまいます。この涙やけが原因でその部分が湿疹を起こしてしまうことがあります。さらにそのままにしておくと、結膜炎や角膜陥没といった、目の病気を併発してしまうことがあります。原因はさまざまなものが考えられますし、目ではなく鼻に原因があることもあります。治療の方法もその原因によって違いますので獣医さんに診てもらいましょう。
〔緑内障〕
眼球の中を満たしている液体を外に排出できなくなり、眼圧が高くなり、視神経を圧迫して障害を起こします。瞳に光をあてると、水晶体が緑色に見えるのが発病した状態。激しい痛みと視力低下、症状が進行すると視力を失うことも。治療には、眼圧を下げる薬を使ったり、強膜に穴をあけ眼房水を調節する手術を行います。
〔白内障〕
白内障は水晶体が白く濁り見づらくなる障害で、物にぶつかるなどするようになります。症状が進行すると散歩を嫌がる、寝ている時間が長くなる、音や刺激に過剰に驚くなどがみられます。加齢とともに発症する老年性白内障(6歳以上)、遺伝的素因が考えられる先天性・若年性白内障(5歳以下)、糖尿病や目のケガや腫瘍が関係している場合も。悪化すると水晶体脱臼や緑内障を併発し、失明する場合もあります。治療には、進行を遅くする目薬や抗酸化作用のある犬用サプリメントを使用。早期であれば、手術で視界が回復する場合もあります。
〔水晶体脱臼〕
水晶体を支えている部分が切れて、水晶体が変異、脱臼し、激しい痛みをともないます。緑内障を誘発することも多く、水晶体を摘出する手術を行います。
耳の病気
犬は人より遠く音をとらえ、音域も広いという優秀な耳をもっています。清潔に保ち、病気を予防しましょう。
〔外耳炎〕
細菌やマラセチア、耳カイセンなどが外耳道に寄生すると、犬が耳の後ろをかいたり、床にこすりつけたり、頭を振ったりするようになります。耳道が炎症を起こし、痛みやかゆみが悪化。耳そうじのとき、悪臭がする、黄色や茶褐色の耳アカが大量にとれる、かゆみや痛みがある、赤く腫れるなどが見られたら獣医さんに相談を。点耳薬や内服薬、洗浄液などで治療します。耳そうじの回数が多すぎたり、乾いた綿棒で強くこすると、耳を傷つけます。洗浄液などで湿らせたコットンで、届く範囲をやさしくふくようにしてください。外耳炎は慢性化しやすく、また再発しやすい病気なので、根気よく治療を続けることが大切です。
〔老年性難聴〕
年齢を重ねるとともに、飼い主の呼びかけや日常的に聞こえる音に対して反応が鈍くなったり、寝ているとき近づいても起きなくなったりします。老年性の難聴は治療できませんが、外耳炎や中耳炎は難聴を助長する恐れがあるので早めに治療し、いつも耳を清潔に保ちましょう。
皮膚の病気
皮膚にはさまざまな役割がありますが、とくに重要なのは感染を防ぐ免疫機能。かゆみがあったり、脱毛、フケっぽい、しこりがあるときは病気かもしれません。日頃からチェックしてあげましょう。
〔膿皮症〕
すり傷、虫刺され、かき傷や、過度なシャンプーなどが原因で、細菌が感染して化膿。皮膚が赤くなり、かゆみや脱毛がみられます。慢性化した皮膚は色素沈着で黒くなることも。口の周りや顔、足の付け根、内股、指の間に出やすい病気。治療には抗生物質を使います。薬用シャンプーで皮膚を清潔に保つ、犬が舐めないように通気性のよい洋服を着せる、皮膚の免疫力をあげるビタミンEや必須脂肪酸を含む食餌を与えるなどで、治りも早く予防にもなります。
〔マラセチア皮膚炎〕
マラセチアは酵母菌の一種で、感染した皮膚は赤く脂っぽくなり、激しいかゆみをともないます。犬がかきこわすため、皮膚に色素沈着が起こり、脱毛して独特の臭いを発します。薬浴と抗真菌剤で治療します。
〔外部寄生性皮膚炎〕
・ノミ
ノミは犬の血を吸い刺激を与え、瓜実条虫(うりざねじゅうちゅう)を媒介し、ノミアレルギー性皮膚炎を起こします。かゆみをともない、犬が皮膚をかき壊すと細菌などの二次感染を起こす原因に。抗生物質や薬浴で二次感染を抑え、駆虫薬や忌避剤でノミの付着を予防します。
・マダニ
山林や河原や公園などの草むらの潜み犬の皮膚に寄生し吸血。宿主に貧血を起こしたり、生命にかかわる病気も媒介します。駆虫薬や忌避剤で予防できますが、ブラッシングやシャンプー時に皮膚の様子を観察するよう心がけましょう。
・毛包虫症(ニキビダニ)
健康な犬にも少数存在し、免疫力が低下したときなどに増殖し発症。1歳未満での発症が多く、目や口の周囲や四肢からはじまり、細菌などの二次的感染によりかゆみと炎症を起こします。薬浴や駆虫薬で治療します。
骨や関節の病気
体がとても小さいチワワは、骨や関節の病気が起こりやすい犬種です。環境にも気をつけましょう。
〔膝蓋骨内方脱臼〕
後ろ足の膝蓋骨が、正常な位置から内側にはずれて歩行困難になります。重度の場合、外科手術が必要とされることも少なくありません。軽度であれば、消炎剤やグルコサミン・コンドロイチン硫酸などの軟骨保護薬が症状を軽減します。とくにシニア犬になると、急激な動作などで靭帯が断裂してしまうことがあります。太るとひざに負担がかかるので体重管理に気をつけ、床を滑らないようにする、段差を工夫するなど、環境づくりにも気をつけてあげましょう。
〔骨折〕
外傷性骨折は落下や強度の打撲が原因で起こることが多く、チワワに多いケガのひとつです。痛み、腫れや変形、熱をもつ、内出血を起こすなどの症状がみられます。足を引きずって歩いたり、骨折した部分によっては立ち上がることができない場合もあります。患部を曲げたり伸ばしたりしないように、動物病院でギプスや固定器などの治療をしてもらいましょう。複雑な場合は手術で患部を固定します。
消化器の病気
下痢にはさまざまな原因が考えられます。チワワは精神的なストレスがきっかけになることも多いようです。
〔下痢〕
水分の多い液状の便になり、血液や粘液が混じることもあります。腹痛で元気や食欲がなくなり、、ひどくなると嘔吐をともなうことも。原因は、寄生虫・ウイルス・細菌・食餌の内容の変化・異物・ストレスなどが考えられます。慢性化しているときには、膵炎・腫瘍・アレルギー・甲状腺機能亢進症などの疑いも。原因をつきとめて排除し、食餌制限、水分を補給しながら治療すること。子犬の場合はとくに、命に関わることもあるので早めに受信しましょう。
呼吸器の病気
咳をしたり、呼吸がいつもとちがわないかなどに注意してあげましょう。
〔気管虚脱〕
気管は筒状で中が空気の通り道となっています。気管虚脱とは、その気管がつぶれて変形し、激しい咳の発作や呼吸困難、呼気による体温調節ができなくなる病気。激しく吠えたり、運動や興奮した後にガーガーとアヒルの鳴き声のように喉を鳴らしたり、落ち着かず歩き回っては座り込む動作を繰り返したり、舌を出したままよだれを垂らすようになります。症状が進むと、呼吸困難となり目を大きく見開き、舌の色が青紫色になります。4歳過ぎたあたりからかかりやすく、また肥満している犬に多くみられます。治療が遅れたりすると脳や肺に回復不能な障害をのこすこともあります。
〔ケンネルコフ〕
ウイルスや細菌が呼吸器に感染。おもな症状は咳や発熱です。とくに子犬や老犬など免疫力の弱い犬が発症しやすく、成犬でも、引っ越しなどの移動、環境の変化、気温の変化、栄養不足などストレスがかかったりした場合や、さまざまな年齢の犬が集まるようなところでは感染する可能性があります。ワクチンや清潔な環境で予防すること、抗生物質での治療が有効です。
泌尿器の病気
トイレでの健康チェックが有効です。オシッコの色も確認しましょう。
〔膀胱炎・尿道炎〕
細菌感染や結石、腫瘍などにより、膀胱や尿道の粘膜が傷つき炎症を起こすため痛み、尿が出にくくなったり、頻尿、血尿などが見られます。尿管や尿道に結石が形成された場合はとくに痛みが強く、抱き上げようとすると激しく抵抗したり鳴き叫んだりします。急性の症状は発熱、元気消失、食欲の低下など。抗生物質、止血剤、消炎剤などで治療。尿石症が原因の場合は、外科手術をすることもあります。
〔腎不全〕
腎臓の働きが悪くなり、老廃物が体外に排出されず体内に蓄積。進行すると尿毒症を引き起こして尿が作られなくなり、死に至ります。尿の量が増え、水をよく飲むようになるのが初期症状のサイン。やがて体重減少、食欲不振、尿毒症による嘔吐などが起こります。治療は輸血や血液透析、腹膜透析など。良質のタンパク質をとり、塩分、リンを制限する食餌療法も大切。
生殖器の病気
避妊や去勢によって予防できるものもあります。
〔潜在精巣〕
オスの精巣は、産まれたばかりの頃は腹腔にありますが、生後1ヶ月から遅くとも2ヶ月までに、後ろ足の間の陰嚢内に下降していきます。滞在精巣は性ホルモン不足や遺伝的素因で精巣が下降せず、腹腔内にとどまったりそけい部の皮下にとどまってしまう状態。停留した精巣は体温の環境下にあるため生殖能力を欠き、腫瘍化しやすいといわれています。精巣を摘出する手術が腫瘍化の一番の予防です。
〔子宮蓄膿症〕
6歳を過ぎたメス犬の発情後、偽妊娠の時期に多発します。子宮内へ細菌が進入し外陰部から膿状のおりものが排出され、元気がなくなり食欲不振に。子宮頚管が閉鎖されると子宮内に膿汁が溜まり、腹腔内に漏れ出すと腹膜炎を起こす可能性があります。多飲多尿、嘔吐、脱水を起こし、治療が遅れると多臓器不全で死に至ることも。避妊手術をすることで予防できます。
〔寄生虫症〕
寄生虫には、犬の小腸や大腸などの消化官内に寄生するもの、血管や血液内に寄生するものがあります。子犬は母犬からの感染もあるので、1ヶ月おきに2~3回便検査をするのがおすすめ。室内飼いでも、散歩など蚊に刺されることはあります。蚊の発生する時期のフィラリア予防はもちろん、血液検査を毎年するといいでしょう。
〔犬回虫・犬鉤虫・コクシジウムなど〕
消化管内寄生虫の感染は、犬が虫卵を水や食物とともに摂取したり、寄生虫を体内に持った中間宿主を摂取することにより成立します。体力のない子犬などへの大量の寄生は下痢を起こし、元気がなくなり、痩せてきます。
〔バべシア症・フィラリア症など〕
血液内の寄生虫は、吸血性のダニや蚊などの昆虫によって媒介されます。大量の寄生により貧血を起こし、死に至ることもあります。
循環器・脳の病気
脳・神経・心臓の病気などのついて知っておきましょう。
〔僧帽弁閉鎖不全〕
犬にもっとも多い心臓病のひとつ。心臓の左心房と左心房の間に位置する僧帽弁の異常により、血液の一部が逆流する状態。8歳以降、加齢に伴い増加するが、発症当初に自覚症状はなく、心臓の収縮時に雑音があるくらいです。進行すると運動時や夜間から朝方にかけて咳が激しく続くようになります。食事療法、運動制限、薬物療法など内科治療がありますが、急激な症状の進行から呼吸困難などにより突然死することも。
〔水頭症〕
脳の内部にある脳室と呼ばれるわずかな隙間があり、そこで脳脊髄を作り分泌している。その液が大量にその隙間に溜まって脳を圧迫することにより、起こります。先天的な要素によるほか、事故などによる頭部の外傷によっても起こります。脳神経のどの部分が圧迫されたかにより症状は異なりますが、大脳皮質が圧迫されると動作が鈍くなって四肢のまひ、運動失調、視力の低下などの症状が見られます。大脳障害のため、周囲のものに全く興味を示さなくなることも。視床下部が圧迫されるとホルモン分泌に影響が出たり、過食や拒食になったりします。また、全く症状が出ない場合もあります。薬物療法や手術による治療がありますが、完治は難しいでしょう。症状が出なければ治療は必要ありません。
腫瘍(がん)
〔乳腺腫瘍〕
メス犬に発症する約50%以上が乳腺腫瘍といわれています。避妊手術を受けていないメス犬がかかりやすく、まれにオス犬にも発症する病気です。唯一の症状は腹部のしこり。大きさや硬さもさまざまですが、乳房や乳頭と乳頭の間などにできます。はっきりした原因は不明ですが、発症には女性ホルモンとの関係が考えられます。良性と悪性がありますが飼い主では判断が難しいです。8~10歳あたりで発症しやすいのですが、5歳を超えたら月に1回は乳がん検診を受けましょう。治療は切除手術を行います。乳腺腫瘍は避妊手術を受けることで発症しにくくなります。将来出産させる希望がなければ、生後2年以内に避妊手術を受けるのもひとつの方法です。
肥満
食欲旺盛なのは元気な証拠というわけではありません。与えれば与えるだけ食べたり、急に食欲旺盛になるのは病気のサインの場合のことも。糖尿病の初期や副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能亢進症、寄生虫症などが疑われます。また、糖尿病や関節の疾患、呼吸器や循環器の疾患など肥満から起こる病気もあります。チワワは体が小さいため太ると動きが鈍くなるだけでなく骨や関節に大きく負担がかかってしまいます。おやつなどの与えすぎには注意し、カロリーコントロールをしっかり行いましょう。
チワワに多いこころの病気
〔分離不安症候群〕
飼い主が外出したときに、ものを壊したり、吠えたり、トイレ以外の場所で排泄するなどの困った行動を起こすチワワもいます。さらに、ひとりになると食欲がなくなったり、下痢を起こす場合も。こんなときは、分離不安症候群という心の病気の疑いがあります。飼い主が外出時に何か恐い思いをした、年をとって認知機能が低下しているなど、原因はさまざまですが、多くは幼少時からの飼い主さんとの不適切な関係に原因があるようです。子犬の頃から、常に飼い主さんとべったり生活していて、ひとりで過ごしていなかったり、飼い主さんときちんと信頼関係が築けてないと、ひとりでの留守番できなくなる傾向があります。行動療法や条件付けで改善しますが、年齢が高くなるほど難しくなります。症状が重いときはしつけの専門家や獣医さんに相談しましょう。
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